メンタルと資金管理

幾何平均を最大化する複利運用【適切なポジション量とは?】

こんにちは。とあるマイナー外科医です。

今日は効率よく資金を増やしていく際に最重要項目ともいえる複利とポジション量の関係についての内容を書いていこうと思います。

結論から言いますと、短期間でできるだけ早く資産を増やしたい場合には以下のものが必要です。

①:厳密な損切り

②:損切りを確実におこなった場合でも期待値が正のトレード手法(スプレッド・手数料込み)

③:適切なレバレッジ・ポジション量

損切りやトレードの方法についてはよく検討される項目だと思いますが、ポジション量について考えたことがありますか?

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よくある資金管理回りでの疑問

・「どのような手法でも資金管理さえ完璧にしておけば勝てる」

・「勝率の高い手法は大負けするから避けたほうがいい」

・「ポジションのリスク量は資産の2%程度がよい」

これらは巷ではよく言われているのを耳にしますが、根拠まで添えているものはなかなかお目にかかることがありません。

試しに検証を行ってみます。

「どのような手法でも資金管理さえ完璧にしておけば勝てる」

期待値の計算ができれば間違えていることくらい簡単にわかるものですが、誇張されてこのように言われているようです。

試行回数が十分量あるとすると、期待値が負の場合には一時的に勝ったとしても長期的には必ず負けます。

そもそも、期待値が負の場合には資金管理を完璧にするとポジション量がマイナスになるため投資できません。

したがって、「どのような手法でも資金管理さえ完璧にしておけば負けない」が正しい言い方になるかと思います。

自分のトレードの期待値を知るためには今まさに自分がやっているその手法を後ろ向きで検証するしかないです。

実例

例えばリスクリワードが1:1で勝率が55%の手法があったとします。

ケリー基準で幾何平均を最大化したリスクをとると10%になり、100人が100万円持って500回トレードしたシミュレーション結果は以下のようになります。

100回時点で資産1000万円が5人、500回時点で資産1億円超えが20人存在します。

勝率がわずかに5%偏るだけでも大きなエッジになることがわかるかと思います。

ちなみに、リスクリワードが1:1で勝率が49%の手法があり、10%リスクで試算してみると以下のようになります。

500回ほどトレードを行うと70人は手持ちが10万以下まで減ります。

数人は強運により収支プラスで終えられたようです。

なお、この場合のケリー基準での適正リスクは‐2%です。

期待値が負の間は労働していたほうが効率がいいかもしれません。

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「勝率が高い手法は大負けするから避けたほうが良い」

同じ期待値だったとして、勝率が高い手法と勝率が低い手法、どちらを選択すべきでしょうか。

結論から言うと早く資産を増加させたい場合には勝率が高い手法のほうがいいです。

これもシミュレーションするとわかるのですが、そもそも勝率が高い場合にはとれるリスクを増やせるのです。

その結果、資産が増加する速度が速くなります。

先ほどのリスクリワードが1:1で勝率が55%の手法ではケリー基準で求められるリスクは10%です。

同じ期待値で勝率85%の手法の場合ではリスクリワードが1:0.3くらいですが、リスクは約35%になります。

シミュレーションは以下のようになります。

200回時点で約40人が資産1億円超えです。

運のいい人は100回程度のトレードで億り人です。

リスクリワード比が0.3のトレードにも関わらずです。

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「ポジションのリスク量は資産の2%程度がよい」

今までの話から、幾何平均を最大化するケリー基準での運用をすると早く資産が増えるらしいということはお分かりいただいたと思うのですが、ケリー基準で実際に運用すると資産が激しく増減します。

実際、リスク値を35%でとると2連敗しただけで資産は4割くらいまで減ってしまいます。

なのである程度資金量が増えたら段階的にリスクを減らしていったほうがいいように思います。

よく資金管理で紹介されているのが「ハーフケリー」です。

ケリー基準の半分のリスクをとるものになります。

先ほどの85%の勝率の手法でハーフケリーで運用するとリスク値は17.5%になります。

シミュレーションの結果は以下のようになります。

資産変動のばらつきが抑えられ、安定して増えているように見えますね。

2連敗しても7割近く資金が残ります。

最後にリスク値2%でシミュレーションをおこなってみます。

2%だと500回トレードを行う機会があっても500万にも到達しません。

せっかくエッジのある手法をお持ちでしたら、リスクリワード比と勝率にもよりますが2%での運用はもったいないように思います。

まとめ

ケリー基準を超えるリスクをとると期待値のある手法であっても資産が減少していく可能性があるのでご注意ください。

今回は記載しませんでしたが、ケリー基準の計算式についてはネット上に詳しく解説されたものがたくさんあるのでご興味あれば調べて見てくださいね。

投資に最適化されたリスク計算式を使用したいという方は「ラルフ・ビンスの資金管理大全」に出てくるオプティマルfを使用してみてもいいかもしれません。

ポジション量はどれくらいがいいとは一概に言えません(適切リスクを超えるのはオススメしませんが)。

エッジのある手法をお持ちでしたら、あとはどのくらいの速度で資産を増やしたいのかで決まっていくと思います。

資産がたくさんある人の場合、無理してリスクをたくさん取らなくても大金を稼げるので有利です。

ご自身の環境やメンタルに合わせて最適なリスク値を見つけることができるといいですね。

ある程度リスク値が決まったらEAを使用してロット計算を自動化することをオススメします。

ポジション量の計算だけなら比較的安価なEAが多数ありますのでご興味あればお試しください。

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それでは本日もよいトレードライフを!

  • この記事を書いた人

とあるマイナー外科医

アラサーのマイナー系外科専門医。 FXとインデックス投資を行う兼業投資家。 テクニカル分析を用いたFXのデイトレで資産30倍達成。

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